八ヶ岳美術館では、2023年6月11日(日)まで、
『岩波其残と画友 〜激動の幕末・明治時代を生きた諏訪の画家たち〜』を開催しています。
岩波其残(きざん)(1815-1894)は文出村(現・諏訪市豊田文出)生まれの俳人・画人で、久保島若人に学んだ俳句、温かなユーモアにあふれた視点で人々の営みを捉えた俳画や楽焼、諏訪の名所を紹介した明治時代の旅行ガイドブックの先駆け『諏訪土産』のさし絵で知られています。幼いころから文筆と諸芸に長けていた其残は、のちに妻となる美智とともに彼女の郷里 尾張を始め北は奥州、南は九州など幕末の日本全国を巡り、各地の風景を画帳に写生、写真技術を初めて諏訪にもたらすなど、見聞を諏訪に伝えました。長旅を終えて帰郷したのちは、諏訪の風物や人物を題材とした句集・俳画集を出版、俳画を描き、軽妙な画風は現在も人々に愛されています。優れた楽焼は明治時代、来日したエドワード・モースに見出されて米国に渡り、ボストン美術館の陶器コレクションに収蔵されました。其残の評伝を書いた小平雪人も絶賛した同形の《楽焼 獅子香炉》がこのたび諏訪市豊田の江音寺で発見され初公開となります。
幕末・明治に活躍した渡辺雪湖や諏訪に移り住んだ長崎派の天龍道人、小池龍湖と原村の五味龍洲など諏訪文人画の画家たちの作品とともに、激動の時代を生き、芸術に表現した其残の世界をご紹介いたします。
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八ヶ岳美術館 電話0266-74-2701